はじめての性病検査
子宮頸がんの特徴
ウィルスの感染が原因の癌です
ワクチンによって予防できます

子宮頸がんの症状と治療法

子宮頸がん(しきゅうけいがん)とは

子宮頸がんは子宮頸部という子宮の出口部分にできる癌です。

尖圭コンジローマの原因でもあるヒトパピローマウイルス(HPV)の一種が原因となって発生する癌であるということが 最近になってわかりました。

ですので子宮頸がんは性行為感染症ではないのですが、性行為によって感染するHPVが原因となる癌です。 子宮頸がんは20代~40代の女性の間で増加しており、乳がんに次いで多い癌となっています。

性交渉が癌の原因となるので20代で発症することもあり、他の癌と違って若いうちから発症することも大きな特徴です。

子宮頸がんの症状

HPVに感染しても多くの場合は免疫力によって自然に体から排除されます。 HPVに感染した人のほとんどは2年以内に自然消失しますが、約10%の人では感染が長期化(持続感染化)します。

HPVが長期化すると一部の人は子宮の出口部分の細胞に異常を生じ、 さらに平均で10年以上の歳月の後、ごく一部(感染者の1%以下)が子宮頸癌に進行します。

子宮頸がんが発生しても初期にはほとんど自覚症状がありませんが、 癌が進行すると出血がある場合もあります。

子宮頸がんの治療

子宮頸がんの治療については、外科的な切除手術が一般的です。 切除の範囲は癌の進行度合によりますので、早期の発見により切除範囲を小さくすることができます。

子宮頸がんを予防するワクチンがすでに日本で認可されており、一部の自治体では公費負担でワクチンの接種が行われています。

すでにHPVに感染している場合や子宮頸がん自体にはワクチンの接種による効果はありませんので、 接種前にはHPV感染の検査を受けるようにしてください。

HPV感染の予防についてはコンドームの使用はある程度効果的ですが、 HPVは皮膚や粘膜に感染するためコンドームに覆われていない部分にもウィルスが潜伏していることがあり、 コンドームの使用だけでは完全に感染を予防することはできません。

子宮頸がんワクチン接種の日本と世界での違いについて

日本では2013年に定期接種が開始されましたが、重い副作用があるとマスコミで大きく報道されました。それにより厚生労働省は「積極的勧奨」を中止しています。

その後、副作用についての評価が行われましたが、マスコミで報道されたような重い副作用はこのワクチンによるものではなかったことがわかりました。

このようなマスコミによる過剰な報道により子宮頸がんワクチンの接種は日本では進んでいませんが、世界的には80か国以上で公費による接種が行われており、 すでに効果も確認され、それらの国では数十年以内に子宮頸がん患者がほぼいなくなると予想されています。
厚生労働省 HPVワクチンQ&A
日本産婦人科学会 子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために